エゴイスト


愛した記憶が
時の彼方に消えるのが
悲しくて、恐ろしくて
君の手を離した

置き去りにされた君は
俺を未だに愛したまま
もう返されることのない思いに泣いて
終わることのない孤独に怯えている

震える君を抱きしめて
慰めることは
今の俺には赦されない
その事を悔やんで、苦しんで

だけど

君がそうやって、震えている間は
二人過ごした記憶は消えないと
満足している俺がいる

短文の「破約」に出てくる「彼」が「彼女」を残していった理由、という設定で書いたものです
内容的には短文の方に入れた方がわかりやすいのですが、作品形態が短文じゃないので詩にしました 

2012/07/31 22:03

Designed by USAGI NO_AO-GARASU
Copyright (C) 2011-2018 silverbullet-orz.com