誓約


いつからだろう、この気持ちを抱きはじめたのは。
あのとき、初めて出会った時

地獄から解放された時初めて光を見た気がした。
その秘められた力を使役したくて
禍々しい力を封じ込めたくて
傍に置いたはずなのに。
その優しすぎる魂に
惹かれた訳では無いはずなのに。

ただ、この地獄から抜け出したくて
その手を握っただけだった。
ただ、それだけの事だった。

今の二人にあるモノは主従の契約ではなくなった。

互いの気持ちに気が付いた時
新たな誓いが交わされた。

悲しいかな、彼女は人ではない
彼女の寿命は長すぎた
だから交わされた誓い。

彼は誓った
何処に行くとしても、彼女を傍らから離さないと。
彼女は誓った
何処までも、彼の傍らから離れないと。
たとえ、行き着く先が死の世界でも。
永久にこの手を離さないと。

二人の間に交わされた誓い
それは『誓約』
決して破られる事の許されない
魂の誓い

『契約』の続きです。その後のエリセシアと彼です。
恋愛が絡むのは少々苦手なので、これを書いていて苦労しました。
『契約』を見てから読んだほうがより楽しめると思います。
ちなみにこの作品、破約へ続きます。

2011/05/24 14:19

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