謝罪文


又は、言い訳にもならない恋文と過去への絶縁状


あの頃の僕は、ずっと君の傍にいたくて

己を偽って、君を騙して、全てを隠して
君にふさわしい「自分」を作って

あの頃は夢の様だった。
たとえそれが、作り物の「自分」でも
ただ、君の傍にいられれば幸せだった

だけど、何時からだろうか

隠した事は暴かれて、己を偽りきれなくなった
それでも君を傷つけたくなくて、「自分」に嘘を重ねた
そしてその嘘が、君を深く傷つけることになった

過ちに気付いた時にはもう遅くて、夢の様な日々は消えていた
残ったのは、僕の裏切りに傷ついた君と、取り繕えないぐらいに壊れた「自分」

それでも君を守りたくて、でもどうしようもなくて
僕にはもう、君の傍から消えることしか出来なかった

あれから時は流れた
勝手な言い分だが、それでも僕は願う
君の傷を癒やしてくれる、本当に君に相応しい人が
今、君の傍に居ることを

たとえば、僕の傍に彼女が居てくれているように・・・ 

若さ故の過ちで分かれざるをえなくなった恋人へ宛てた手紙という設定です
手紙と言っても、実際は相手には渡さないのですけどね
これに出てくる「僕」は礼文に出てくる「貴方」と同一人物です 

 

2012/12/23 20:50

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