恋文


あるいは、惚気という名のただの駄文


支えられることを拒絶して、笑って他人に手を差し伸べて
誰にも気付かれない内に、小さく沢山つけられた傷の痛みも
まるで存在しないかのように振る舞う
気高く無邪気な彼女

そんな彼女の心が落とした、涙の落ちる小さな音が
聞こえたんだ、微かだけど

信じられなくて、思わず彼女に目を向けて
そしたら、目を離せなくなって
いつの頃からか、彼女の傍に居たくなった

それは
彼女を「守ってあげよう」とか「支えてあげよう」等と
自惚れた訳じゃ無くて
彼女の強さを、優しさを傍で見習いたいから

そして
彼女が心を隠して笑う時には、そっと抱きしめて
「泣いてもいいよ」と囁くよ

多分、彼女は意地っ張りだから「何言ってるの」と笑うのだろう
だけど僕は、そんな彼女が好きなんだ

謝罪文の最後に出てくる「僕」の傍にいる「彼女」に対する
「僕」からの文です
時期としては、謝罪文の「僕」が「君」と分かれた後の話です
ちなみに、『謝罪文』は相手の「君」には伝えられることはありませんが
この『恋文』は「僕」が「彼女」にそのまま伝えられる事になっています 

2013/01/09 01:20

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